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小児の便秘

便秘とはうんちの回数が少なくて、うんちが硬くて出すのに痛みがある状態のことです。日本の成人で便秘の人はおよそ2〜5%といわれており、女性に多いです。歳をとると便秘の人は増えてくると言われています。子供では正確なデータがわかっていませんが広島市の調査では児童の18.5%が週に2〜3回未満の排便だったという報告があります。

便秘をしたことがない人はたかが便秘、と思われるかもしれません。子供はうんちをしようとして、いきんでもなかなかうんちが出ないので肛門が痛くなります。そんなことがあるとうんちをすることに恐怖感を覚えることがあります。そうするとうんちを我慢して、うんちが溜まって、便秘になって、、と悪循環になりかねません。また硬すぎて出ない時や長引いた時にはどうしても浣腸をしないといけないこともあります。ご本人も浣腸で恐怖を覚えたり、ご家族にも負担になります。

便秘は想像以上に本人はつらいものです。竹ノ塚駅にございます当院では、便秘について少しでもご不安が解消されるように説明していこうと思います。

 

原因

子供が便秘になりやすいタイミングとしては以下が知られています。

①赤ちゃんで母乳からミルクに変えた時や離乳食を食べ始めた時

②幼児でトイレのトレーニングを始めた時

③学童で通学を始めた時や学校でのトイレを避ける時

これらのタイミングで便秘になったのであれば特に原因のない便秘の可能性が高くなります。ただ便秘は体に病気が隠れていてなることもあります。具体的には

・生まれつき腸が狭い病気

・腸の神経に異常がある病気(ヒルシュスプリング病)

・ホルモンの病気(甲状腺機能低下症、副甲状腺機能亢進症)

・糖尿病

・体のイオンバランスが崩れている病気(高カルシウム血症、低カリウム血症)

・薬(抗けいれん薬、鉄剤、胃酸を抑える薬など)

このほかにも原因はたくさんあります。

また、便秘は遺伝することがありますか?というご質問もよくあります。確かに家族に便秘があると子供も便秘になりやすいことがあります。ある論文では便秘のある女性ではその姉妹や娘、母親に便秘を持っていることが明らかに多いとわかっています。ただそれが遺伝によるものなのか、家族なので食事が同じだから同じように便秘になるのかまではわかっていません。

 

検査

一般的には便秘は診察のみで行うことがほとんどです。ただなかなか治らない便秘の場合や上記の他の病気が隠れている可能性がある場合には血液の検査を行うこともあります。

 

診断

診断は基本的にご家族や本人からの症状を伺って診察をして行います。

 

治療

ご本人の便秘の辛さ次第では便秘のお薬は定期的に内服が必要です。特に4、5日もうんちが出ないようだと肛門出口の近くのうんちはカチコチに固まってしまい、肛門にふたをしているような感じになってしまいます。このような場合には浣腸をしてうんちをスッキリ出してあげる必要があります。ただし、溜まったうんちを出したら問題解決、というわけではありません。このように繰り返しうんちを溜める習慣があると腸がうんちを溜め込めるように大きくなることがあり便秘をしやすい体質を作ってしまいます。なので便秘を繰り返す時にはうんちを溜め込まないように薬を使って治療をするようにしましょう。

 

生活習慣

一般的には睡眠、食事、運動に分けて生活習慣は指導されることが多いと思います。

睡眠:睡眠時間をしっかりとり、早寝早起きの習慣を持ちましょう

食事:規則正しい食事、3食をバランスよく食べ、脱水にならないように水分をとりましょう

運動:適度な運動をしましょう

上記のようなことを診察では外来でお伝えすることがあります。しかし実際にはこれらに注意したら便秘が治るかどうか明確な科学的根拠はわかっていません。そのためご家族にあまり負担にならない程度で良いと思います。大事なことはうんちに行きたくなったら我慢をせずにトイレに行くように指導をすることです。学校でトイレを我慢している子供はかなり多いので、我慢する必要はないことを伝える必要があります。それだけではなく食後ゆとりのある時間にトイレに座る習慣を持つようにしましょう。本人が出ないと言っても、一応トイレに座るようにしましょう。しかし強制的になりすぎないよう、トイレに座るけどダメそうだったら数分で切り上げるようにしましょう。食事後の便意が出やすい時に毎日続けていると、結構うんちが出るようになることが多いです。朝はご家族も忙しことが多いと思いますのでトイレ習慣は夕食後でも構いません。また、食事内容についてはどのようにすれば子供の便秘に良いのか明確に証明はされていません。ただ基本的には大人と同じように食物繊維をとることが推奨されます。便秘を改善する食物繊維の摂取量としては3〜7歳は10g/日、8〜14歳で14.5g/日と報告されています。

 

いかがでしたでしょうか。子供の便秘は大人と比べて治ることが多いです。およそ50〜70%は便秘が半年から数年ほどで治ると言われています。ただ全体の25%ほどが大人になっても便秘が続くといわれています。どうしたらよいのか、ご家庭だけで解決することが難しいこともあります。お悩みであれば迷わずかかりつけクリニックや、竹の塚エリアにございます当院にてご相談ください。

 

参考資料

こどもの便秘 −正しい知識で正しい治療を− 小児慢性機能性便秘症ガイドライン作成委員会

小児慢性機能性便秘症ガイドライン 日本小児栄養消化器肝臓学会 日本小児消化管機能研究会

 

121-0813
東京都足立区竹の塚6-11-1 T・キューブ1階

東武伊勢崎線「竹ノ塚駅」東口3分

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