メニュー

マンジャロ最新論文まとめ

[2026.04.27]

こんにちは、竹ノ塚駅前クリニック院長の中島義之です。

最近、外来でとても多くいただくご質問があります。

「マンジャロって本当に痩せるんですか?」
「テレビやSNSで話題ですけど、安全なんですか?」
「自分も使ってみたいんですけど…」

結論から申し上げます。

マンジャロは、正しく使えば「人生を変えるきっかけ」になりうる素晴らしいお薬です。ただし、使い方を間違えると、ただの「やめられない注射」になってしまいます。

今回は、この1年で世界の一流医学誌に発表された最新の研究結果をもとに、医師の立場から「本当に効果のある使い方」「避けてほしい使い方」を、できるだけわかりやすくお伝えします。

少し長くなりますが、ご自身の体と人生に関わる大事な話です。最後までお付き合いいただければ嬉しいです。


そもそも「マンジャロ」ってどんな薬?

マンジャロ®(一般名:チルゼパチド)は、週に1回、自分で皮下に注射するタイプのお薬です。日本では2型糖尿病の治療薬として承認されています。

同じ仲間のお薬として、すでに有名なものがあります。

  • オゼンピック®(セマグルチド) ─ 糖尿病治療薬
  • ウゴービ®(セマグルチド) ─ 肥満症治療薬
  • リベルサス®(セマグルチド) ─ 飲み薬の糖尿病治療薬
  • トルリシティ®(デュラグルチド) ─ 糖尿病治療薬

これらは「GLP-1」という腸のホルモンの働きを利用するお薬です。マンジャロはそこに「GIP」というもう一つのホルモンの作用を加えた、世界初の「ダブルで効く」お薬。これが大きな話題となっている理由です。

体への作用は主に3つ。

  1. 食欲を抑える(自然に食べる量が減る)
  2. 胃の動きをゆっくりにする(満腹感が長く続く)
  3. 血糖値を安定させる

その結果として、多くの方で体重がしっかりと落ちるのです。


世界の最新研究でわかったこと【2025-2026年】

この1年、世界の医学界はマンジャロに大注目してきました。米国NEJM、JAMA、英国Lancetといった「世界5大医学誌」に、立て続けに重要な研究結果が掲載されています。要点を6つにまとめます。

① 平均で体重が約20%減った【NEJM 2025年7月】

糖尿病ではない肥満の方751名を対象に、マンジャロとウゴービを直接比較した世界初の試験(SURMOUNT-5試験)。

  • マンジャロ群:72週間で平均 −20.2%
  • ウゴービ群:72週間で平均 −13.7%

体重70kgの方なら、約14kg減ったことになります。これは肥満治療薬として、現時点で世界最強クラスの数字です。

② 糖尿病の発症を約88%予防【NEJM 2025年】

「糖尿病予備群」の方1,032名にマンジャロを3年間投与した試験(SURMOUNT-1延長試験)。

  • マンジャロ群で糖尿病を発症した人:2.4%
  • プラセボ(偽薬)群で糖尿病を発症した人:13.7%

つまり、糖尿病になるリスクを約88%も減らせたということ。健診で「血糖値が高め」「HbA1cが境界型」と言われたことがある方には、希望の光となる結果です。

③ 心臓・脳の血管病を悪化させない【NEJM 2025年】

4年間にわたる大規模試験(SURPASS-CVOT)で、心筋梗塞や脳卒中などの発症が、従来薬と同等以上であることが確認されました。「やせ薬として効くけど、心臓に負担がかかるのでは?」という心配は、ほぼ払拭されたと言ってよい結果です。

④ 心不全(HFpEF)の予後も改善【NEJM 2025年】

息切れやむくみが出るタイプの心不全(HFpEF)を持つ肥満の方で、心血管死や心不全悪化を38%減らしたSUMMIT試験の結果も発表されました。「ただ痩せる薬」を超えて、命を守る薬としての側面も明らかになっています。

⑤ 生活の質(QOL)も大幅に改善

体重だけでなく、活動量・気分・自己肯定感・睡眠の質など、患者さんが体感する「日常の質」も大きく改善することが、複数の試験で示されました。

⑥ 【超重要】やめると戻る【JAMA Internal Medicine 2026年】

そして、もっとも大切な研究結果がこちらです。

マンジャロでしっかり減量した方を「継続群」と「中止群」に分けて追跡したSURMOUNT-4の再解析では、マンジャロをやめた人の多くが体重をリバウンドし、それと同時に血圧・コレステロール・血糖値の改善も元に戻ってしまうことがわかりました。

つまり、何も考えずに「痩せたから注射やめた」では、すべて元通りになってしまうのです。


院長として、もっとも大切に思うこと

ここまでの最新エビデンスをふまえて、私が皆さまに一番お伝えしたいのは、こういうことです。

マンジャロは「魔法のやせ薬」ではなく、「良い生活習慣に切り替えるための、強力なきっかけ」として使ってほしい。

なぜそう考えるのか

多くの方が肥満で悩むのは、意志が弱いからではありません

仕事に追われ、ストレスを食事で発散し、運動する時間も気力もなく、気がつけば体重が増えている──そんな状況で「とにかく食べないで」「運動して」と言われても、それができないからこそ困っているのです。

ここで重要なのが、マンジャロの本当の価値です。

マンジャロを使うと、「いつもの自分なら絶対食べていた量が、なぜか欲しくなくなる」という体験ができます。これは精神論ではなく、薬による生理学的な反応です。

そしてこの「いつもより食べなくても平気な期間」こそが、人生を変える絶好のチャンスなのです。

  • 食事量が自然に減ることで、体が軽くなり、体が動かしやすくなる
  • 体重が落ちると、運動が楽しくなる
  • 運動習慣がつくと、食事への意識も変わる

──この好循環の「最初のひと押し」を、薬の力で作り出す。これがマンジャロの正しい使い方だと、私は考えています。


当院の方針:依存ではなく、卒業を目指す治療

当院でマンジャロをご希望の方には、最初のご相談で必ずお伝えしていることがあります。

方針① 体重が落ちてきたら、ぜひ「中止」を視野に

マンジャロで体重が順調に落ち、目標に近づいてきたら、私は積極的に中止をご提案しています。減量中に身につけた良い習慣(食事・運動)が定着していれば、薬がなくても体重を維持できる方が多いからです。

「ずっと打ち続けないと不安」と感じる方もいらっしゃいますが、それは依存です。私たち医師の役割は、患者さんが薬から自立できるよう、伴走することだと考えています。

方針② 減量中に「運動習慣」と「食事記録」を必ずセット

マンジャロの効果が出ている期間こそ、体は軽く、動きやすく、食欲もコントロールしやすい状態にあります。この貴重な期間を、生活習慣を整える「絶好のチャンス」として活用していただきたいのです。

具体的におすすめしているのは、

  • カロリー計算アプリ(あすけん、カロミルなど)で食事を記録
  • 1日30分の早歩きから始める運動習慣
  • 睡眠の質を整える(これが意外と一番効きます)

こうした生活の土台が整って初めて、薬の効果は「一過性」ではなく「人生を変える経験」になるのです。

方針③ どなたにでも処方するわけではありません

マンジャロは強力な薬で、副作用もあります。当院では、お一人おひとりの体質・既往歴・生活背景・治療目的を丁寧に伺い、本当に必要な方・適している方にのみ処方しています。

「打てば誰でも痩せる」「副作用が少ないから誰でもどうぞ」という案内をしているクリニックには、私個人としては、医師として疑問を感じています。


知っておいていただきたい副作用

マンジャロには副作用もあります。隠さずお伝えします。

頻度が高い副作用(多くの方が経験する可能性)

  • 吐き気、下痢、嘔吐、便秘 ─ 特に量を増やす時期に出やすい
  • 注射部位の赤み・かゆみ
  • 食欲低下による栄養不足(タンパク質不足に注意)

頻度は低いが重大な副作用

  • 急性膵炎(強い腹痛が出たらすぐ受診)
  • 胆石症・胆嚢炎
  • 重いアレルギー反応
  • 低血糖(特に他の糖尿病薬と併用する場合)

当院では、開始時の血液検査・定期的なフォローアップを必ず行い、これらの副作用を早期に発見できる体制を整えています。


こんな方には、ぜひ一度ご相談いただきたい

以下のような方は、医療ダイエットの良い適応になりうる方です。

  • 健診で「メタボ」「糖尿病予備群」「脂肪肝」を指摘された方
  • BMI 25以上で、複数のダイエットに失敗してきた方
  • 仕事や育児で運動の時間がとれず、体重が増え続けている30〜50代の方
  • 家族に糖尿病の方がいて、自分も将来が心配な方
  • 「最初のきっかけ」さえ作れれば、生活習慣を変えられそうな方

逆に、以下のような方には基本的におすすめしていません。

  • BMIが正常範囲(18.5〜24.9)で、明らかな健康上の問題がない方
  • 一時的に大きく痩せたいだけで、その後の生活改善に関心がない方
  • 過去に膵炎・胆石症の既往がある方
  • 妊娠中・授乳中の方

「自分はどちらだろう?」と迷う方こそ、ぜひ一度、外来でお話を聞かせてください。マンジャロを使うか使わないかも含めて、あなたにとってベストな方法を一緒に考えます


まとめ:マンジャロは「ゴール」ではなく「スタート」

最後に、もう一度お伝えします。

  1. マンジャロは、正しく使えば人生を変えうる強力な味方
  2. ただし、依存せず、生活習慣改善のきっかけとして使うべき
  3. 体重が落ちてきたら、卒業を目指して中止を検討する
  4. 使っている期間に、運動と食事記録の習慣を必ず作る
  5. 万人向けの薬ではない。医師としっかり相談を

ダイエットの本当のゴールは、「一時的に痩せること」ではありません。痩せた後の人生を、健康に、自信を持って、長く生きていくことです。

そのスタートラインに立つお手伝いを、当院は誠実に、医学的に正しい形で行ってまいります。


竹ノ塚駅前クリニックの医療ダイエット外来

当院では、自費診療でマンジャロをはじめとした医療ダイエットのご相談を承っています。

  • 初回カウンセリングで、適応があるかを丁寧に判断
  • 定期的な血液検査と医師面談で、安全に治療を継続
  • 食事・運動・睡眠を含めた包括的な生活アドバイス
  • 「卒業」を視野に入れた、長期目線の伴走

竹ノ塚駅から徒歩すぐ。お仕事帰りや週末にもご来院いただきやすい立地です。西新井・綾瀬・北千住エリアからもアクセス良好です。

▼ ご予約・ご相談はこちらから ▼

オンライン予約はこちら

お電話でのご予約・お問い合わせもお気軽にどうぞ

竹ノ塚駅前クリニック 内科・小児科・皮膚科
院長 中島 義之


※本記事は2026年4月時点の最新の医学エビデンスに基づき、院長が執筆しています。
※マンジャロの使用についての最終判断は、必ず医師の診察を受けたうえで行ってください。
※自費診療の費用・診察の流れについては、当院HPをご覧ください。

【参考文献】
Aronne LJ, et al. SURMOUNT-5. N Engl J Med. 2025;393(1):26-36.
Jastreboff AM, et al. SURMOUNT-1 3-year. N Engl J Med. 2025;392(10):958-971.
Nicholls SJ, et al. SURPASS-CVOT. N Engl J Med. 2025;393:2409-2420.
Packer M, et al. SUMMIT Trial. N Engl J Med. 2025;392(5):427-437.
SURMOUNT-4 post hoc analysis. JAMA Intern Med. 2026 Feb (online).

HOME

▲ ページのトップに戻る

Close

HOME