【医師が解説】マンジャロの保管方法と持ち運び|飛行機・海外旅行・使い終わった針の捨て方
「先生、マンジャロって、ずっと冷蔵庫に入れておかないとダメですか? 夏の旅行に持っていきたいんですけど、どう持ち運べばいいのか不安で……」
外来でこうした質問を受けることが、暑くなってから増えました。竹ノ塚駅前クリニック院長の中島 義之です。マンジャロは注射のお薬なので、「保管の仕方」と「使い終わったあとの捨て方」を最初に知っておくと、安心して続けられます。今日はそこだけをやさしくまとめます。
先に結論をお伝えします。
- ふだんは冷蔵庫(2〜8℃)で、光を避けて保管してください。
- 凍らせては絶対にいけません。一度凍ったものは、見た目が戻っても使えません。
- 冷蔵庫が使えないときは、室温(30℃以下)で21日以内なら使えます。夏の車内や直射日光は30℃を軽く超えるので避けてください。
- 飛行機は「手荷物」で機内へ。預け荷物(スーツケース)は凍結の危険があるので絶対に避けてください。
- 海外へ持っていくときは、渡航中に必要な分だけにし、渡航先の国のルールを事前に確認してください。
- 使い終わった針・ペンは家庭ゴミに捨てないでください。当院にお持ちいただければ回収します(他院で購入されたものも回収しています)。
夏は持ち運びの相談が一気に増えます。結論だけ先に言うと、飛行機は必ず手荷物、車内放置は厳禁——この二つが守れれば、旅行にも問題なく持っていけます。国内・海外の細かい注意は、このあとの章でお伝えします。
保管や続け方に不安のある方は、診察でお聞かせください(オンライン予約)
※マンジャロによる医療ダイエットは自費診療です。お支払いは現金のみとなります。
ふだんの保管:冷蔵庫で、光を避けて
マンジャロは、冷蔵庫(2〜8℃)で遮光して保管するのが基本です。ドアポケットは開け閉めで温度が変わりやすいので、できれば庫内の奥のほうに、箱に入れたまま置いておくと安心です。箱に入れておけば、光を避けることにもなります。
気をつけていただきたいのが凍結です。冷蔵庫の設定によっては、いちばん奥や冷気の吹き出し口の近くで凍ってしまうことがあります。とくに、冷凍庫に近い場所は凍りやすいので注意してください。上に冷凍室があるタイプなら最上段の奥、横に冷凍室があるタイプならその仕切り側は冷えやすい場所です。冷蔵庫の中でも、冷凍庫からなるべく離れた位置に置くと、凍結を避けやすくなります。一度凍ったマンジャロは、溶けて見た目が元に戻っても使えません。効き目が保証できなくなるためです。「凍っていないか」だけは、ときどき確認してください。
冷蔵庫が使えないとき・夏の持ち運び
旅行や帰省で、どうしても冷蔵庫に入れられないこともあります。その場合、室温(=常温、30℃以下)であれば21日以内は使えます。このときも外箱に入れたまま(遮光した状態で)保管してください。数日の外出なら、神経質になりすぎる必要はありません。
ここで大事なのは、室温で保存できるのは「冷蔵庫が使えないとき」の一時的な方法で、室温に置けるのは最長21日という上限だということです。ふだんから室温に置いておいてよいという意味ではありません。冷やせる環境があるなら、冷蔵庫(2〜8℃)での保管が基本です。室温に長く置いたものを使ってよいか迷うときは、無理に使わず、診察でご相談ください。なお、夏の室内は冷房がないと体感より簡単に30℃を超えます。室温がはかれないときは、迷わず冷蔵・保冷を優先してください。
ただし、夏場に特に注意していただきたいのが「30℃を超える場所」です。次のような場所は、短時間でも一気に高温になります。
- 直射日光の当たる場所・窓ぎわ
- 真夏の車の中(ダッシュボードやトランク)──短時間で50℃以上になります
- 暖房の近く・電子機器の上など、熱がこもる場所
持ち運ぶときは、保冷バッグに保冷剤を一緒に入れると安心です。このとき、保冷剤がマンジャロに直接ふれないようにしてください。直接ふれると、その部分だけ凍ってしまうことがあります。保冷剤はタオルなどで包み、少し離して入れるのがコツです。飛行機に乗るときは、預け荷物ではなく手荷物で持ち込むと、温度の管理がしやすくなります。
飛行機に乗るとき(国内線・国際線)
当院でも「お盆に帰省するけど、スーツケースに入れちゃだめ?」とよく聞かれます。ここだけは声を大にしてお伝えします——ポイントは「手荷物で持ち込む・預けない」の一点に尽きます。私が旅行前の方に念押しするのも、実はここだけです。
- 機内に手荷物として持ち込めます。マンジャロのような自己注射のお薬は、通常、機内持ち込みの手荷物として持ち込めます(メーカーもそのように案内しています)。ただし取り扱いは航空会社によって違うため、ご予約の航空会社に事前に確認・相談してください(これはメーカー自身も勧めている方法です)。
- スーツケースを預ける「預け荷物」には入れないでください。貨物室は温度が管理されず、氷点下になって凍結し、お薬がだめになることがあります。必ず手元の手荷物で持ち込んでください。
- 国際線の液体制限(100mL)について。医薬品と、それを冷やすための保冷剤は、医療目的として制限の例外と認められることが多いです(空港・航空会社によって運用が異なります)。保安検査のときに「お薬です」と申告してください。念のため、処方内容の分かるもの(お薬手帳・処方の控えなど)を手元に用意しておくと安心です。
- 注射器も持ち込めます。マンジャロの注射器は針が一体になったタイプで、手荷物として持ち込めます。処方の控えなどがあると、検査場での説明がスムーズです。X線の検査を通しても問題ありません。
- 長時間のフライトでは、遮光と温度管理のため、保冷バッグに保冷剤を入れて(直接ふれさせないように)持ち込むと安心です。
なお、持ち込みのルールは航空会社・空港・時期によって変わることがあります。出発前に、必ずご利用の航空会社の最新の案内をご確認ください。
海外へ持っていくとき
海外旅行や出張にマンジャロを持っていくこと自体は可能ですが、国によって医薬品の持ち込みルールが違います。厚生労働省も「事前に、渡航先の国の情報を十分に確認しましょう」と案内しています。
- 量は「渡航中に必要な分」だけに。厚生労働省は、必要以上に多量の医薬品は持ち込みが認められないおそれがある、としています。数か月分をまとめて持ち出すのは避けてください。
- 日本の出入国で特別な許可は通常いりません。マンジャロは麻薬・向精神薬ではないため、麻薬取締部への申請などは基本的に必要ありません。ただし、多めの量を持ち出す・持ち帰る場合などは、日本側でも手続き(自己使用であることの証明など)が必要になることがあります。日本の出入国のルールも、出発前に厚生労働省・税関の最新の案内で必ずご確認ください。そのうえで、渡航先の国によっては、医師の証明を求められることがあります。
- 持っておくと安心なもの。処方内容の分かるもの(お薬手帳・処方の控え)を携行してください。国によっては、薬剤名・医療目的・医師名を記した英文の証明があると、税関や検査で説明しやすくなります。英文の証明が必要かどうかは渡航先によって異なりますので、必要な場合は診察のときにご相談ください。
- 現地での保管。ホテルのミニバー(冷蔵庫)は温度が安定せず、冷えすぎて凍ってしまうこともあります。凍結にはくれぐれもご注意ください。
渡航先の国別の目安(日本人に人気のトップ10)
マンジャロは麻薬・向精神薬ではないふつうの処方薬なので、多くの国で「常識的な量」なら持ち込めます。ただし、書類の求め方は国によって違います。当院でも「ハワイに持っていける?」「韓国は書類いる?」とよく聞かれます。相談の多い10か国について、2026年7月時点で調べた目安を並べておきます。とくにシンガポール・フィリピン・インドネシアは書類がやや厳しめです。
どの国でも、次の基本を守れば、ほぼ困りません。①英文の医師の証明と処方の控え ②元の箱・ラベルのまま ③渡航中に必要な分だけ(基本は旅行日数+予備。上限の目安は90日以内で、短い旅行に何か月分も持ち出さない) ④スーツケースに預けず手荷物で ⑤注射器は保安検査で申告。英文の証明は当院でもご相談いただけます。
| 渡航先 | 医師の証明書(目安) | ひとことメモ |
|---|---|---|
| 韓国 | 推奨 | 処方箋・診断書を携行。個人用は目安3か月分(6本)まで許可不要 |
| 米国(ハワイ・グアム含む) | 推奨(英文) | 目安90日分。元の容器・ラベルのまま、入国時に申告。ハワイ・グアムも同じ米国ルール |
| 台湾 | 推奨 | 処方箋なしで目安2か月分、ありで6か月分まで |
| 中国 | 推奨 | 「個人使用の合理的な量」。明確な日数上限がないため書類を携行 |
| タイ | 推奨 | 英文の処方箋・診断書を携行 |
| ベトナム | 推奨〜必要 | 注射薬や30日を超える量は、医師の必要性を示す書面を携行 |
| シンガポール | 必要寄り | 処方箋・医師の手紙+患者名入りの箱が条件。目安3か月分まで |
| フィリピン | 必要寄り | 注射薬は英文の医師の手紙が実質必要。目安90日分 |
| 香港 | 推奨 | 合理的な個人使用量。90日を超える量は事前相談 |
| インドネシア(バリ) | 厳しめ・実質必要 | 医師の手紙+所定フォーム・電子申告が必要な場合あり。書類の氏名一致に注意 |
※順位・数量はいずれも目安で、上限の保証ではありません。実際の可否や必要書類は、各国の税関がその場で判断します。「推奨」の国でも、証明書を持っていくほうが確実です。手続きは国の運用によって変わります。ハワイ・グアムは米国の統計・法令に含まれます。
医師の診断書・証明が必要かどうかは国によって異なり、ルールも変わります。渡航の前に、日本側(出国時の持ち出し・帰国時の持ち込み)と渡航先の国の両方について、必ず最新情報(日本の厚生労働省・税関、渡航先の国の大使館・領事館・税関当局の案内など)をご自身でご確認ください。この記事の内容は2026年7月時点の一般的な情報であり、個別の可否を保証するものではありません。ご不明な点は、診察のときにもご相談いただけます。
英文の証明が必要な方や、海外への持ち出しが不安な方は、診察でご相談ください(オンライン予約)
うっかりやりがちな「これは大丈夫?」
外来でよく聞かれる、判断に迷う場面をまとめます。
- うっかり凍らせてしまった → 使わないでください。新しいものをご用意ください。
- 暑い部屋に半日置いてしまった(30℃以下) → 21日以内であれば問題ありません。
- 暑い車の中に長時間置いた(30℃超) → 使用は避け、迷ったら診察でご相談ください。
- 次に打つ分の注射器が残っている → マンジャロは1本を使い切りで、週1回打ちます。次に打つ日まで、未使用のものは冷蔵庫(2〜8℃・遮光)で保管してください。
「これは使っていいのかな」と迷ったときは、無理に使わず、遠慮なくご相談ください。もったいないと感じるお気持ちはよくわかりますが、効き目のはっきりしないお薬を打つより、安全を優先していただくほうが、結果的に近道です。
使い終わった針・ペンの捨て方
ここは、多くの方が困るところです。マンジャロの注射器は針が一体になっています。使い終わった注射器(使用済みのペン)は、燃えるゴミなどの家庭ゴミに捨てないでください。針でケガをしたり、収集する方が危険にさらされたりするおそれがあるためです。
安全で確実なのは、当院にお持ちいただく方法です。当院では、使い終わった注射器を医療廃棄物として回収しています。他院で購入されたものも回収しています。次の受診のときに、使い終わったペン・針をまとめてお持ちください。ふた付きで硬い容器(厚手のプラスチック容器や缶など、針が突き抜けにくいもの)に入れてお持ちいただくと、より安全です。ペットボトルは薄く針が貫通することがあるため、缶などのほうが安全です。
自治体によってゴミの分け方のルールが違うため、ご自身で処分する場合は、お住まいの自治体のルールや、購入された医療機関・薬局にご確認ください。迷ったら当院にお持ちいただくのが確実です。
診察室で口頭でお伝えしていること(おさらい)
- ふだんは冷蔵庫(2〜8℃)で遮光して保管。箱に入れたまま、冷凍庫から離れた位置に置くと凍結を避けやすい
- 凍らせない。一度凍ったものは見た目が戻っても使えない
- 冷蔵庫が使えないときは室温(30℃以下)で21日以内なら使える
- 真夏の車内・直射日光は30℃超。持ち運びは保冷バッグ+保冷剤(直接ふれさせない)
- 飛行機は必ず手荷物で機内へ。預け荷物は凍結の危険があるので避ける。航空会社に事前確認を
- 海外は渡航中に必要な分だけ。渡航先の国のルールを事前確認。処方の控え(必要なら英文の証明)を携行
- 使い終わった針・ペンは家庭ゴミに捨てない(正しい廃棄方法)。当院にお持ちいただければ回収します(他院購入分も可)
- 使っていいか迷ったら、無理に使わず相談を
よくある質問
マンジャロは常温で保管できますか?
ふだんは冷蔵庫(2〜8℃)で遮光して保管してください。冷蔵庫が使えないときは、室温(30℃以下)であれば21日以内は使えます。ただし真夏の車内や直射日光の当たる場所は30℃を超えるため避けてください。
うっかり凍らせてしまいました。使えますか?
使えません。一度凍結したマンジャロは、溶けて見た目が元に戻っても効き目が保証できないため、使用せず新しいものをご用意ください。冷蔵庫内でも冷凍庫に近い場所(冷気の吹き出し口の近くなど)で凍ることがあるため、冷凍庫からなるべく離れた位置に置き、ときどき確認してください。
旅行のとき、どうやって持ち運べばいいですか?
保冷バッグに保冷剤を入れて持ち運ぶと安心です。保冷剤がマンジャロに直接ふれると凍ることがあるため、タオルなどで包み、少し離してください。数日の旅行で室温(30℃以下)なら21日以内は使えます。飛行機では手荷物として持ち込むと温度管理がしやすくなります。
マンジャロを飛行機に持ち込めますか?
持ち込めます。マンジャロのような自己注射のお薬は、通常、機内持ち込みの手荷物として持ち込めます。取り扱いは航空会社によって異なるため、事前にご利用の航空会社へご確認ください。スーツケースなどの預け荷物は貨物室で凍結するおそれがあるため、必ず手元の手荷物で持ち込んでください。処方の控えを用意し、保冷バッグで温度管理をすると安心です。
マンジャロを海外に持っていけますか?
渡航先の国のルールを守れば持っていけます。量は渡航中に必要な分だけにし、事前に渡航先の国の医薬品持ち込みルールをご確認ください。マンジャロは麻薬・向精神薬ではないため日本の出入国で特別な許可は通常不要ですが、国によっては医師の証明を求められることがあります。処方内容の分かるもの(お薬手帳・処方の控え)を携行し、必要に応じて英文の証明をご相談ください。
使い終わった針やペンはどう捨てればいいですか?
家庭ゴミには捨てないでください。当院では使い終わった注射器を医療廃棄物として回収しています(他院で購入されたものも回収しています)。次の受診時に、ふた付きの容器に入れてお持ちください。ご自身で処分する場合は、お住まいの自治体のルールをご確認ください。
他のクリニックで買ったマンジャロの針も回収してもらえますか?
はい。当院では、他院で購入された使い終わった注射器も回収しています。安全な処分にお困りの場合は、受診の際にお持ちください。
竹ノ塚駅前クリニックのご案内
竹ノ塚駅前クリニック内科小児科皮膚科は、東京都足立区・東武伊勢崎線「竹ノ塚駅」東口から徒歩3分の内科・小児科・皮膚科です。「コンビニのように便利に使える」クリニックを目指し、働く世代の方が通いやすい診療体制を整えています。竹の塚地域にお住まいの方はもちろん、西新井・綾瀬・北千住エリアからもアクセスしやすい立地です。
マンジャロによる医療ダイエットは自費診療です。院長の中島 義之が診察のうえ、保管や続け方についてもご説明します。お支払いは現金のみです。
自由診療に関する重要事項
- マンジャロ®(チルゼパチド)の国内における承認効能は2型糖尿病の治療です。体重管理(医療ダイエット)目的での使用は承認適応外の使用であり、自由診療(全額自費)となります。当院では診察でこの点をご説明し、ご理解いただいた方にのみ処方しています。
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- 当院では、国内の医薬品卸業者より国内承認薬を仕入れています。
- 適応外使用のため、万が一重篤な副作用が出た場合は、国の医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。
- 費用は用量によって異なります(初診料・再診料は無料、お支払いは現金のみ)。最新の費用はマンジャロの料金ページをご確認ください。
- 主な副作用:吐き気・下痢・便秘・嘔吐、注射部位の赤み・かゆみなど。まれに急性膵炎・胆のう障害・腸閉塞・併用時の低血糖・重いアレルギー反応。詳しくは副作用のページをご覧ください。
- 保管方法は製品の添付文書に基づいています。実際の保管・使用にあたっては、医師・薬剤師の説明と製品の説明書きに従ってください。
関連ページ
竹ノ塚駅前クリニック 院長 中島 義之
※本記事は2026年7月時点の情報に基づいています。保管方法の詳細は製品の添付文書・説明書きに従い、ご不明な点は医師・薬剤師にご確認ください。マンジャロ®(チルゼパチド)の使用は、医師の診察と判断のもとで行ってください。

