【医師が解説】マンジャロの自己注射は痛い?怖い?初めての方の不安に答えます
マンジャロに興味はあるけれど、注射を自分で打つなんて考えただけで無理——外来でマンジャロ®(チルゼパチド)の話をすると、そんな声を本当によく聞きます。効果や費用より先に、「注射が怖い」という壁で立ち止まる方が多いのです。竹ノ塚駅前クリニック院長の中島義之です。
結論から言います。マンジャロの注射器は、針を自分で見ることも、自分で刺す操作もほぼ必要ない仕組みになっています。皮膚に押し当てて、ロックを回して解除し、ボタンを押すと自動で注射が終わる「アテオス」という注入器です。
そして当院では、初回の処方時に、看護師が練習キットを使って打ち方を説明しています。一方で、院内で代わりに注射を打つ対応は行っていません。その理由も含めて、本文で説明します。
診察室でよく聞かれるのは、「どこに打つんですか」「本当に痛くないんですか」「失敗したらどうなるんですか」の3つです。いつもお答えしている順番で、そのままお話しします。
注射が苦手だけど相談してみたい方は、診察でお聞かせください(オンライン予約)
※マンジャロによる医療ダイエットは自費診療です。お支払いは現金のみとなります。
マンジャロの注射器は「針を見ずに」打てる
「注射」と聞くと、注射器を手に持って、自分の皮膚に針を刺す姿を想像しますよね。マンジャロは違います。
マンジャロの注入器「アテオス」は、使い切りタイプの自動注入器です。底面を皮膚に押し当て、ロックを回して解除し、ボタンを押すと、「カチッ」という音とともに自動で注射が始まります。注入が終わると2回目の「カチッ」が鳴るので、それまで(最長10秒ほど)押し当てたまま待つのがコツです。針は本体の中に収まっていて、打つ前も打った後も、自分で針を見る必要がほぼありません。針の付け替えや薬液の準備も不要です。
採血が苦手で毎回目をそらしている、という方が外来にもいらっしゃいます。針が見えず、自分で刺す操作もない仕組みのため、そうした方でも始めやすくなっています。
痛みは実際どのくらい?
先に言っておくと、無痛ではありません。痛みは、全く感じない方もいれば、少ししみると感じる方もいます。大事なのは、痛みがあってもなくても効き目は変わらないことです。出血もごくわずかで、絆創膏がいらないことがほとんどです。打った場所に赤みやかゆみ、小さな内出血が出ることもありますが、通常は数日で治まります。強い痛みや腫れが続く場合は受診してください。
痛みや刺激を減らすコツはシンプルです。
- 冷蔵庫から出して、しばらく置いてから打つ ── 薬液が常温に戻ると、冷たさによる刺激を感じにくくなります
- 消毒したアルコールが乾いてから打つ ── アルコールが残っているとしみやすくなります
- 打った後は軽く押さえるだけ。揉まない
当院では腹部と太ももをご案内しています
マンジャロは皮下脂肪の多い場所に打つ薬です。当院では、ご自身で打ちやすい腹部(お腹)と太ももをご案内しています。
- 腹部:おへそから5cm(指2〜3本分)以上離れた場所を選びます。座ったままでも打ちやすく、皮下脂肪も確保しやすい定番の部位です。
- 太もも:前面〜外側の、つまむと脂肪がつかめる場所。内もも・膝やそけい部(脚の付け根)の近くは避けます。お腹に打ちにくい時期の代替にも使えます。
大事なのは、毎回少しずつ位置をずらすこと。同じ場所に繰り返し打つと、皮膚が硬くなることがあります。「先週は右のお腹、今週は左のお腹、来週は太もも」のように、ゆるく順番を決めておくと迷いません。
なお、本記事は不安を解消するための概要です。準備から後処理までの実際の手順は、マンジャロ注射の正しい打ち方と使い方のページで順を追って解説しているので、処方時の説明・付属の取扱説明書とあわせて必ずご確認ください。
当院の初回サポート ── 正直にお伝えします
初めての方が一番不安なのは、「説明を聞いても、家で一人になったらできる気がしない」という点だと思います。当院の体制をそのままお伝えします。
初回の処方時に、看護師が練習キット(薬や針の入っていない練習用の注射器)を使って、打ち方を実際に確認しながら説明します。図やパンフレットを眺めるだけではなく、「押し当てて、ロックを回して、ボタンを押す」という一連の流れを体感してから、お帰りいただけます。
一方で、当院では院内で注射を打つ(代わりに打って差し上げる)対応は行っていません。マンジャロは週1回、ご自宅で続ける薬です。「毎週クリニックで打ってもらう」前提にしてしまうと、通院が途切れた時点で治療も途切れてしまいます。だからこそ、最初の説明に時間をかけて、ご自宅で自立して続けられる状態を目指します。それでも不安が残る場合は、遠慮なく診察でご相談ください。
よくある失敗と、その対処
打ち忘れた!
週1回・同じ曜日に打つ薬ですが、忘れることは誰にでもあります。ルールは決まっています。
- 次の予定日まで72時間(3日)以上あるとき:気づいた時点で1回分を打ち、その後は元の曜日に戻します
- 次の予定日まで72時間未満のとき:忘れた分は打たず、次の予定日に1回分だけ打ちます
例を挙げます。毎週月曜に打つ方が水曜に気づいた場合は、次の月曜まで5日あるので、その場で1回打ち、次はいつもどおり月曜に打ちます。日曜に気づいた場合は、翌日が予定日(72時間未満)なので忘れた分は打たず、月曜に1回だけ打ちます。
2回分をまとめて打つのは絶対にやめてください。万一2回分を打ってしまった場合は、次の予定日を待たずに速やかに当院へご連絡ください。次回の注射をどうするかは診察でお伝えします。迷ったときも自己判断せず、ご確認ください。
保管を間違えた気がする
基本は2〜8℃の冷蔵庫で保管し、凍結は不可です。この原稿を書いている7月の竹ノ塚は連日の猛暑ですが、室温(30℃以下)であれば21日(3週間)以内は使用可能とされているので、駅から持ち帰る程度の時間は心配いりません。夏場に注意したいのは、車内への置き忘れや直射日光です。冷蔵庫の外に出ていた期間は通算で数え、21日を超えたものや、一度でも凍結したものは使わないでください。
ボタンを押したのに、打てたか自信がない
アテオスは注射の開始と終了で「カチッ」という音が鳴る設計です。2回目の「カチッ」まで押し当てたまま待てたか、そして、のぞき窓の灰色のピストンで確認できます。それでも不安なときは、追加でもう1本打つのではなく、まず診察でご相談ください。
自己注射が不安で、まだ始めていない方へ
注射への苦手意識は、恥ずかしいことではありません。怖さの正体は、たいてい「知らないこと」です。仕組みを知り、練習キットで一度体感してしまうことが、不安を減らす一番の近道だと考えています。
そのうえで、マンジャロは誰にでもおすすめする薬ではありません。当院では、診察で適応をきちんと見極めたうえで、合わない方にははっきりそうお伝えしています。
受診を検討していただきたい方:
- 注射が怖くて、医療ダイエットの一歩を踏み出せずにいた方
- 健康診断で「メタボ」「糖尿病予備群」「脂肪肝」を指摘されたものの、何から始めればいいか分からない方
- BMI(体格指数:体重÷身長の2乗)25以上で、食事や運動でのダイエットがうまくいかなかった方
- 仕事や家庭が忙しく、減量に取り組む時間を取りにくい働き盛りの方
ご自身が当てはまるか気になる方は、診察でご相談ください(オンライン予約)
おすすめしない方:
- BMIが正常範囲(18.5〜25未満)で、健康上の問題がない方
- 生活習慣は変えずに、一時的な減量だけを求める方
- 過去に膵炎・胆石症にかかったことがある方
- 妊娠中・授乳中の方、妊娠を予定している方
- 18歳未満の方(体重管理目的での安全性は確立していません)
なお、糖尿病ですでに治療を受けている方は、お薬の調整が必要になるため、まずは主治医にご相談ください。
この記事のポイント(おさらい)
自己注射について、この記事でお伝えした要点です。
- 注入器は押し当てて、ロックを回して、ボタンを押すだけ。2回目の「カチッ」まで押し当てたまま待つ
- 痛みの感じ方には個人差がある。常温に戻す・アルコールが乾いてから打つ・揉まない
- 打つ場所は腹部(へそから5cm以上離す)と太もも。毎回位置をずらす
- 初回は看護師が練習キットで説明。院内で代わりに打つ対応は行っていない
- 打ち忘れは「次の予定日まで72時間以上あるか」で判断。2回分まとめ打ちは禁止
- 保管は2〜8℃の冷蔵庫。室温(30℃以下)なら通算21日以内。凍結したものは使わない
よくある質問
打つ場所は毎回変える必要がありますか?
あります。同じ場所に繰り返し打つと皮膚が硬くなることがあるため、毎回少しずつ位置をずらしてください。当院では腹部か太ももをご案内しており、腹部の場合はおへそから5cm(指2〜3本分)以上離れた場所を選びます。
自己注射は痛いですか?
感じ方には個人差があり、全く感じない方もいれば、少ししみると感じる方もいます。痛みの有無で効き目は変わりません。冷蔵庫から出してしばらく置き、薬液が常温に戻ってから打つと刺激を感じにくくなります。消毒のアルコールが乾いてから打つのもコツです。
注射が怖くて、自分で打てるか不安です。
マンジャロの注入器「アテオス」は、皮膚に押し当ててロックを回し、ボタンを押すと自動で注射される仕組みで、針を自分で見る必要がほぼありません。竹ノ塚駅前クリニックでは、初回の処方時に看護師が練習キットを使って打ち方を説明しています。
院内で代わりに打ってもらえますか?
当院では院内で注射を打つ対応は行っていません。ご自宅で週1回続けていただく薬のため、初回の処方時に看護師が練習キットで説明し、ご自身で打てるようサポートします。不安が残る場合は診察でご相談ください。
打ち忘れたときはどうすればいいですか?
次の予定日まで72時間(3日)以上あれば、気づいた時点で1回分を注射し、その後は元の曜日に戻します。72時間未満の場合は忘れた分を打たず、次の予定日に1回分だけ注射してください。2回分をまとめて打つことは絶対に避けてください。
マンジャロはどう保管しますか?
2〜8℃の冷蔵庫で保管し、凍結は避けてください。冷蔵保存できない場合は、室温(30℃以下)で通算21日(3週間)以内であれば使用可能とされています。夏場の車内や直射日光の当たる場所は避け、凍結したものは使わないでください。
竹ノ塚駅前クリニックのご案内
竹ノ塚駅前クリニック内科小児科皮膚科は、東京都足立区・東武伊勢崎線「竹ノ塚駅」東口から徒歩3分の内科・小児科・皮膚科です。「コンビニのように便利に使える」クリニックを目指し、働く世代の方が通いやすい診療体制を整えています。竹の塚地域にお住まいの方はもちろん、西新井・綾瀬・北千住エリアからもアクセスしやすい立地です。
マンジャロによる医療ダイエットは自費診療で行っており、院長の中島義之が診察のうえ、お一人おひとりの適応を判断しています。注射が苦手というご相談も、遠慮なくお聞かせください。なお、お支払いは現金のみとなります。
自由診療に関する重要事項
- マンジャロ®(チルゼパチド)の国内における承認効能は2型糖尿病の治療です。体重管理(医療ダイエット)目的での使用は承認適応外の使用であり、自由診療(全額自費)となります。当院では診察でこの点をご説明し、ご理解いただいた方にのみ処方しています。
- 同じ有効成分(チルゼパチド)は、肥満症治療薬「ゼップバウンド®」として国内で承認されているほか、米国など諸外国でも肥満症治療薬として承認されています(2026年7月時点)。
- 当院では、国内の医薬品卸業者より国内承認薬を仕入れています。
- 適応外使用のため、万が一重篤な副作用が出た場合は、国の医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。
- 費用の目安:2.5mg 1本 4,500円(税込)〜。週1回使用のため、4週間で4本=18,000円(税込)〜が目安です。用量により異なります(初診料・再診料は無料)。最新の費用はマンジャロの料金ページをご確認ください。
- 主な副作用:吐き気・下痢・便秘・嘔吐、注射部位の赤み・かゆみなど。まれに急性膵炎・胆のう障害・腸閉塞・併用時の低血糖。また、ごくまれにアナフィラキシー・血管性浮腫が報告されています。じんましん、顔・くちびる・のどの腫れ、息苦しさが急に現れた場合は、注射を中止し、直ちに救急外来を受診してください。詳しくは副作用のページをご覧ください。
関連ページ
竹ノ塚駅前クリニック 院長 中島 義之
※本記事は2026年7月時点の情報に基づいています。マンジャロ®(チルゼパチド)の使用は、医師の診察と判断のもとで行ってください。注射手技の詳細は、必ず処方時の説明と添付の取扱説明書に従ってください。
参考文献
- マンジャロ®皮下注アテオス® 添付文書・患者向医薬品ガイド(PMDA)・患者向け取扱説明書

