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小児の新型コロナ感染症

こちらでは小児の新型コロナウィルス感染症についてお伝えします。現在流行しているデルタ株は脅威的でこれまでのコロナウィルスとは別の感染症と言ってもいいほどの感染力を有しています。そのため2020年にはどんなにPCRを検査してもいなかった小児の新型コロナウィルス感染症の方が出てくるようになりました。全ての年齢の子供がコロナウィルスに感染する可能性があります。また典型的な症状ではなく、わずかな症状のことも多いです。みなさんの大切なお子さんのために少しでもお役に立てればと思います。当院ではお子様にもPCR検査を実施しております。

新型コロナウィルス感染症のPCR検査のための受診をご希望の場合はできるだけご予約をお願いします。予約はこちら

 

感染源

今のデルタ株は感染源が不明なことも明らかに多いです。特に濃厚接触にならないように自宅で生活しているだけで出かけるのはスーパーだけ、という方でも普通に陽性になることが増えました。感染源を特定することが困難なのです。日本小児学会の現状のデータでは感染源の多くが家族からです。そのためご家族にはお子さんへの注意よりもまず親自身がどれだけ徹底して感染対策をしているかどうかが大事になります。ある研究では①コロナウィルスに感染している人との密接な接触(やはり家族が多いです)、②家庭への訪問者がいる場合、③家庭の人との集まり(何かの行事、他の子供たちとの活動)への参加が感染のリスクとしてわかっています。学校での感染は出席率は関係ないようですが、しっかりと皆がマスクをしていることが感染予防に大事との報告があります。逆にお子さんからご両親に感染がうつる例も多数報告されております。

 

重症度

お子さんで入院をする必要が出るのは少数ではあります。入院率は2.5〜4.1%という報告があります。しかし入院したお子さんのうち3人に1人は集中治療を必要とし、全体の5%は人工呼吸器が必要になることがわかっています。また、現在のデルタ株の流行状況ではこのようになって入院できる場所を見つけるのは困難になっています。

 

症状

小児の新型コロナウィルス感染症の症状は大人と似ています。無症状の感染者の割合は15〜42%と推測されています。検査を受けるまで何も症状がないのでコロナだとは思わなかった、ということが多いのです。実際に症状があるお子さんとしては以下のものが多いようです。

0〜9歳の小児の症状

  • 熱、せき、息切れ(63%)
  • 発熱(46%)
  • せき(37%)
  • 頭痛(15%)
  • 下痢(14%)
  • のどの痛み(13%)
  • 筋肉痛(10%)
  • 吐き気、嘔吐(10%)
  • 嗅覚障害、味覚障害(1%)

10〜19歳までの症状

  • 熱、せき、息切れ(60%)
  • 頭痛(42%)
  • せき(41%)
  • 発熱(35%)
  • 筋肉痛(30%)
  • のどの痛み(29%)
  • 息切れ(16%)
  • 下痢(14%)
  • 嗅覚障害、味覚障害(10%)

また、胃腸症状(嘔吐、下痢、腹痛)が呼吸器症状を伴わずに起こることもあります。このことから当院では嗅覚味覚障害に加えて、胃腸症状がある場合にも積極的にPCR検査を実施するようにしています。その他に心臓や神経に異常をきたす事もあります。

 

赤ちゃんにおいては食欲が落ちている、原因のわからない熱、の場合に注意が必要です。呼吸器の症状がほとんどないことがあるからです。呼吸器症状があっても鼻水だけ、など咳があまり目立たない事も多いようです。

 

検査

現状症状に典型的なパターンがないため医師が診察だけで新型コロナウィルス感染症と診断するのは極めて困難です。そのため当院では積極的なPCR検査が必要だと考えています。生後間もない赤ちゃんからPCR検査は実施することができます。PCRについてはこちら

 

重症度

小児においても重症例や死亡例が報告されています。多くは無症状であったり、軽症、中等症で、発症から1〜2週間以内に回復するようです。海外の論文データによると新型コロナウィルス感染症関連の死亡率は0.17/10万人です。お子さんの重症例が少ない理由についてはさまざまな説が出ていますがまだわかっていません。現状わかっている重症しやすいリスクは以下の場合です。

  • 肥満
  • 糖尿病
  • 喘息またはその他の慢性肺疾患
  • 複雑な病気の方
  • 遺伝性の病気
  • 神経の病気
  • 代謝の病気
  • 先天的な病気
  • 鎌状赤血球症
  • 免疫抑制剤を使用している方

 

治療

治療については画期的なものはまだわかりません。カクテル療法などありますが、クリニックレベルで確立した治療はまだ見つかっていません。

 

感染予防

感染予防のためには成人と同様、複数の感染対策を以下に毎日徹底してできるかどうかが重要です。現状の流行状況から感染しても自宅療養になる可能性が非常に高いでしょう。ならば最初から感染しないように自分にできることをやっていくしかありません。まずは親が手本を見せてあげましょう。

ワクチン接種:感染予防効果が明らかですのでできるだけ接種しましょう。12〜15歳の方は足立区では予防接種が可能です。当院では現状新型コロナウィルス感染症のワクチン接種は行えません。足立区のHPからご確認ください。

マスクの徹底:他の人が2m以内にいる場合では常にマスクをつけましょう。不織布マスクを使用しましょう。フェイスシールドやマウスシールドではマスクの代わりにはなりません。

手洗い:外出中も自宅でも手洗いをしっかりしましょう。人は1時間に23回自分の顔を触っているというデータもあります。何かをしたら手を洗う、またはアルコール消毒を習慣にしましょう。携帯電話も同様で手すりやドアノブなどを触った手でそのまま携帯電話を触らないようにしましょう。携帯用アルコール消毒を持つようにしましょう。

換気:できるだけ換気を行いましょう。自宅の場合には1、2時間ごとに5〜10分換気するとよいです。電車内など密な場所ではなるべく自主的に換気を行ってください。

環境消毒:1日1回、ドアノブ、テーブル、てすり、スイッチなど手のよく触れるところを100倍希釈した家庭用洗剤で拭き掃除しましょう。1日1〜2回手のよく触れるところを薄めた漂白剤(0.05%次亜塩素酸ナトリウム水溶液)または、アルコールを含んだティッシュで拭きましょう。ただ、次亜塩素酸ナトリウムは薄めても手には使わないようにされてください。

密回避:1密(密閉、密集、密接)でもリスクがありますので気をつけましょう。換気の悪い密閉空間(車の中も含みます)、たくさんの人が集まる密集場所、近距離で会話や発声をする密接場面を避けましょう。食事は黙食でなるべく会話を避けましょう。

 

今後

いつになったら落ち着くのか、感染が怖い、おっしゃる通りです。毎日診療する我々も自分がいつ感染するのか、自分のパートナーや子供にいつ感染を広げてしまうのか、、、心配です。100年に1度の感染症なのです。医療資源も限りがあります。自分は大丈夫、ではなくこれまでの新型コロナウィルス感染症が流行する前とは世界が違う、という意識を持ちましょう。もはや医療機関はどこもベッドがなく救急車もフル活動して救急車を呼んでも来ない状況になっています。

感染した方は「自分は大丈夫と思った」、「まさか感染するなんて」と皆さんおっしゃいます。かかってから後悔するよりも今日この瞬間から自分にできる感染対策をいかに徹底して行えるか、それにつきます。

みんなで協力してご自宅で過ごすようにしてこの危機を乗り越えましょう。

 

参考文献

新型コロナウィルス感染症都民向け感染予防ハンドブック[第1版] 東京都感染症情報センター

人との接触を8割減らす、10のポイント 厚生労働省

新型コロナウィルスに関するQ&A 厚生労働省

 

 

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