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おねしょ

ここではお子さんでよくあるおねしょについて説明しています。意外と生活習慣を治すだけで良くなることがあります。おねしょはお母さんも大変ですが、何より子供にもストレスなど悪影響を及ぼしますので参考になさってください。

おねしょは正式には「夜尿症」と言います。夜尿とは睡眠中に意識せずに尿を漏らす、という意味です。夜尿症の具体的な定義は「5歳以降で、1ヶ月に1回以上の夜尿が3ヶ月以上続くもの」「1週間に4日以上の夜尿を頻回、3日以下の夜尿を非頻回」とされています。

 

年齢

お子さんの夜尿症の有病率は小学校入学時に10%を超えているといわれています。数値は報告によってさまざまですが、小学校入学前の5〜6歳で約20%、小学校低学年では約10%台で、10歳を超えても5%前後みられます。中学校時代でも1〜3%の人にはあり、まれに成人になっても夜尿症が続くこともあります。

 

原因

色々な原因が考えられます。夜のホルモン分泌が少ない、尿を溜める膀胱が頑張りすぎる、睡眠が浅い、発達の遅れ、遺伝などがあります。1つの原因でなく複数の原因が混ざっていることもあります。

 

遺伝

両親のどちらかが夜尿症をしたことがあると5〜7倍夜尿になりやすく、両親ともに夜尿症があった場合には、11倍夜尿になりやすいと報告があります。また、一卵性双生児の場合には46%、二卵性双生児のでは19%が二人とも夜尿症であったと報告があります。このことから遺伝すると考えられています。

 

ストレスとの関連性

なります。夜尿症は1次性と2次性に分けられます。1次性はこれまで夜尿がなかった時期が6ヶ月に満たない場合、2次性は夜尿がこれまでに6ヶ月以上なかったことがある場合をいいます。2次性はより多くの生活上のストレス(親の離婚、患者さんに兄弟が誕生したなど)を経験していたり、精神疾患が隠れていることが高いのです。1次性は全体の75〜90%、2次性は10〜25%といわれています。

 

病気との関連性

おねしょは別の病気が原因として隠れていることがあります。原因は大きく分けて夜の尿の量が多い、膀胱が尿を溜められる量が少ない、その他と分けられます。

  • 夜の尿の量が多い

腎臓の奇形(低形成腎、異形成腎、水腎症)、神経性多飲症、尿崩症、糖尿病があります。

  • 膀胱が尿を溜められる量が少ない

膀胱の病気(排尿筋過活動、Hinman syndrime、排尿筋-尿道括約筋協調不全、慢性尿路感染症)、脊髄の病気(脊髄破裂、脊髄髄膜瘤、脊髄腫瘍)、ホルモンの病気(高カルシウム血症)など

  • その他

便秘症、尿の通り道の病気(異所性尿管)、てんかん、睡眠時無呼吸症候群など

このようにたくさんの病気が考えられるため夜尿症の治療があまり効果ない場合、大きな病院に紹介をすることもあります。

 

自宅での対処法

ご自宅でのおねしょのための対策が非常に大事になります。自宅でやっていただくのに有効な方法を紹介します。

  • おねしょがなかった日にはご褒美

おねしょ日記をつけることで治療へのやる気が出ます。最初のご褒美はおねしょがなかったことよりもむしろ、あらかじめ決めておいた行為(寝る前にトイレに行ったこと)に対して与えてあげる。続いてあらかじめ決めておいた少し大きなご褒美を、前述の行為が長く続けられた時やおねしょがない日が続いた時に与えてあげる(カレンダーにうまくった日にシールを貼ったり、7日連続成功で本を買ってあげるなど)。

  • 水分の量を調節する

1日のうちで水分をあげるバランス配分を考えるということです。1日の水分接種は朝から午後の早い時間に重点的にとり、夜は塩分、水分とたんぱくなどは最低限にするようにしましょう。具体的には1日の水分摂取量の40%を午前中(7〜12時)、40%を午後(12〜17時)、夜(17時以降)は20%に留めるよう心がけると良いです。特に夕食後の水分摂取はコップ1杯まで、また就寝2時間前からは水分摂取は控えめにしましょう。日中の水分摂取をせずに夜間の水分摂取制限だけだと、1日の必要水分摂取量が足りず、夜の水分摂取制限もうまくいかないので気をつけましょう。

また夜は糖やカフェインを多く含む飲料(ソフトドリンクにも少量カフェインが入っていることもあります!)の摂取は控えるようにしましょう。

  • 定期的に排尿をさせる

就寝前と起床時には必ず、他の時間帯でも(学校で最低2回、その後は下校時・夕食時)定期的にトイレに行くようにしましょう。夜間に起こしてトイレに行かせる習慣を意図的に作る必要はありません。ただ短期の宿泊行事(修学旅行やキャンプ)など限定的な場合には夜間に起こすことを検討しても良いと思います。

  • 適切な排尿姿勢をすること

適切な排尿姿勢とは座って排尿する場合、便座がお子さんのおしりに対して適切な大きさで快適に座れること、両足がしっかり床につくこと(年小児では踏み台を使うと良い)、ゆっくり排尿することが必要です。

  • 便秘の治療

便秘があれば当院で治療を受けるようにしましょう。

 

食事

生活指導として何かをたくさん食べた方がいいということはありません。ただ夕食時の塩分やたんぱく制限、夕食後の飲水量の制限、就寝前のトイレ習慣は気をつけましょう。

 

治療法

大きく分けてアラーム療法と薬での治療があります。

  • アラーム療法

アラーム療法は眠っている時の排尿に気づかせ、覚醒してトイレに行くか、我慢できるようにすることでおねしょをしないようにする治療です。インターネットで販売しているおねしょアラームを患者さんで購入してもらい使用します。毎晩就寝時にお子さん自身がアラームをテストして、就寝中にアラームが鳴ったら、その後1〜2分で怒ることをシミュレーションします。その上で、夜間にアラームが鳴ったら患者さん自身で止めてもらい、起きてトイレで残った排尿を済ませます。最初はアラームが鳴ってもお子さんが起きないことが多いのでご家族の方が起こしてトイレに連れて行ってあげましょう。最低14日間連続でおねしょがなくなるまでアラーム療法は続けましょう。これにはおおむね12〜16週間ほどかかるとされていますので根気が必要になります。有効率は40〜87%、再発率は0〜11%と報告があり非常に有効です。ただしアラーム療法はご自身で購入してもらわないといけないので自己負担があり、また保護者の方がアラームが鳴ったら患者を起こす必要があることを理解した上で行う必要があります。

  • 薬物療法

薬での治療は前述の生活習慣の改善を3〜6ヶ月しても改善しない6歳以上のお子さん場合に検討します。非常に効果的です。副作用としてまれに薬を飲む前に水を異常に飲みすぎる(水中毒)や低ナトリウム血症になることがありますが頻度は少ないです。

 

以上が夜尿症についてのお話になります。ご心配でしたら当院でご相談ください。

 

参考資料

『おねしょ』(夜尿症)が治らない 日本泌尿器科学会

夜尿症診療ガイドライン2016 日本夜尿症学会

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