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高コレステロール血症

「コレステロールが高い」とよく患者さんが健康診断で指摘されてクリニックに来られます。

コレステロールは誰でも血液中に含まれており、ある程度コレステロールは健康の維持に必要です。ではコレステロールが高いと何がいけないのでしょうか?コレステロールの値が高い人は、心臓発作や脳梗塞などの健康障害のリスクが高まります。日本では現在200万人ほどの方が治療を受けていますが、実際にはもっと多くの患者さんがいらっしゃいます。その治療の必要性を知る機会が少ないと思います。少しでも参考になれば幸いです。

 

原因

原因として最もよくあるのは高脂肪食、運動不足、肥満、糖尿病などです。また遺伝的な要因もあります。高コレステロール血症の一種である家族性高コレステロール血症は、世界中で最もお多い遺伝病の1つです。家族性高コレステロール血症は特に、コレステロールの一種であるタンパク質に関わる遺伝子に突然変異を起こして発症します。その結果若い人でも動脈硬化や突然死を引き起こすことがあります。

 

診断

健診などで数値が高いことを指摘された事がある方もいらっしゃるかもしれません。残念ながら数値が高い時点で診断名が脂質異常症(高コレステロール血症)となります。特に症状がないから気にしなかった、と思われるかもしれません。ただコレステロールは高くても症状がないのが普通です。なので数値が異常であれば何もなくても脂質異常症の診断になります。しかし診断になったら皆さんがすぐに薬を飲む必要があるわけではありませんのでご安心ください。

また、コレステロールは直前の食事の影響で大きく出てしまうことがあります。そのため採血をする場合には最後の食事から10〜12時間以上空けて検査をする必要があります。

コレステロールは悪玉コレステロール(LDLコレステロール)、善玉コレステロール(HDLコレステロール)、中性脂肪(TG)の3種類があります。以下のいずれか引っかかっている項目の病名になります。

検査項目 診断数値 病名

LDLコレステロール

(LDL−C)

140mg/dL以上 高LDLコレステロール血症
120〜139mg/dL 境界域高LDLコレステロール血症

HDLコレステロール

(HDL−C)

40mg/dL未満 低HDLコレステロール血症

中性脂肪

(TG)

150mg/dL以上

高トリグリセライド血症

合併症

コレステロール、特にLDLコレステロールが高いことで1、2ヶ月で何か影響するわけではありません。しかし長期間コレステロールが高いままだと脳梗塞、心筋梗塞を起こしやすくなります。さらに、コレステロールが高い人は正常の値の人より死亡率が高いと報告されています。コレステロールが高いことはこのようにとても恐ろしい合併症を引き起こすのです。

特にリスクが高くなるのはタバコを吸う方、高血圧、糖尿病、家族に遺伝するコレステロールの病気を持っている方、ご年配の方、健康的な食事でない方です。HDLコレステロールが低い方や中性脂肪が高すぎる方も脳梗塞や心筋梗塞を起こしやすくなります。

その他中性脂肪が高い場合には膵炎を引き起こすことがあります。膵炎とはお腹の臓器である膵臓の痛みを伴う炎症です。膵炎にかかると非常に強い腹痛が出ます。膵炎はひどい場合にはショック状態になって死亡することもあります。

食事療法

コレステロールの治療は元々の病気にもよりますがすぐに薬による治療が必要とは限りません。生活習慣の改善でも15%ほどコレステロールの値は改善すると報告されています。

具体的にするべきこととしては以下になります。これを継続するとそれだけで改善します。

  • コレステロールが高いもの(揚げ物、赤身肉、チーズなど)を避けましょう
  • 運動をする
  • 体重を落とす(標準より体重が多い場合)
  • 大豆タンパク質(豆腐、枝豆、豆乳など)を取る
  • オメガ3脂肪酸が含まれる海産物(マグロ、サケ、カキなど)を週1回以上とる

ちなみにインゲンやエンドウ豆は炭水化物が多いので大豆のようにタンパク質豊富ではありません。また、オメガ3脂肪酸のサプリメントの効果については強い根拠があるわけではないのでできるだけ海産物で取るようにしましょう。

 

薬物治療

コレステロールの薬は先ほどお伝えしたように全ての方に必要な訳ではありません。ご自身が脳梗塞や心筋梗塞を起こしやすいかを推測して必要があれば薬を処方します。コレステロールの薬は体の中でコレステロールができるのを防いでくれます。薬で悪玉コレステロールは30〜50%ほど下げることができます。そして薬を飲む最も大事な理由は薬を使用することで心臓や脳の病気にかかる可能性を下げ、死亡率も低下させる明らかな根拠があることです。非常に重要で有効な薬ですが、副作用としてまれに筋肉痛やだるさなどが出ることがあります。また一部のコレステロールの薬はグレープフルーツと飲み合わせが悪いことがありますので医師や薬局に確認しましょう。コレステロールの薬は患者さんによっては絶対に飲んだ方がいい良いお薬です。医師と相談するようにしましょう。

 

コレステロールはこのように何も症状はなくても重度な合併症を起こす可能性があります。健康診断で見つかったコレステロールは体から出ている危険信号です。そのまま放っておかずに医師に相談するようにしましょう。まずは当院で相談ください。

 

参考資料

脂質異常症 e-ヘルスネット 厚生労働省

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