メニュー

喘息

喘息は子供から大人まで幅広くかかることがある肺の病気です。正式名称は気管支喘息といいます。喘息は世界で最も有名なガイドライン、GINA(The Global Initiative for Asthma)の定義では「通常、慢性気道の炎症を特徴とする異質な疾患。あえぎ、息切れ、胸の圧迫感、せきなどの呼吸器症状が時間的にも強度的にも変化し、呼気気流制限が変化すること」とされています。簡単にお話しすると、季節によって良くなったり悪くなったりして息切れや咳が発作的に出る慢性的な病気、ということです。

最近では治療法の進歩が見られ死亡することがほとんどなくなりました。しかし適切な治療を受けなければ苦しいのは変わりません。喘息の治療に慣れている当院でぜひご相談ください。

 

原因

喘息は遺伝することがあります。また、周囲の環境がきっかけで喘息になることもあります。例えば、タバコの煙、アレルギー物質(ホコリやダニなど)、大気汚染などです。その他細菌やウィルスの呼吸の感染症が喘息を起こしやすくしていることもあると報告されています。

お子さんの喘息は男の子に多いとされています。成人では男女比は変わらなくなりますが、40歳以上では男性よりも女性の方が喘息患者は多いです。お子さんの喘息については母親の出産年齢、喫煙、食事、薬の使用(アセトアミノフェン、制酸剤、抗生物質など)が関係しているという報告もありますが定かではありません。また、喘息はアトピー性皮膚炎やアレルギー性鼻炎、花粉症を持っている人の方がなりやすいです。アトピー性皮膚炎の子供の三人に一人が喘息になります。喫煙は喘息の発症リスクを高めます。これは本人が吸っていなくても家族が吸っていれば同じです。その他肥満度が高い患者さんは喘息のリスクになります。

 

診断

喘息の診断のためには呼吸の能力を見る検査をする必要があります。スパイロメトリーという機械で確認します。喘息では息を吐き出した時のスピードが遅いためその評価を行います。当院にはスパイロメトリーがないため正確な喘息の診断をすることはできないため医師の診察での判断、また難しい場合には病院に紹介をして検査をしてもらいます。

 

症状

喘息を患っている人の中で、実際に苦しくなった発作が起きた時が喘息発作にあたります。発作の症状としては息苦しさ、あえぎ、咳、胸の締め付けるような感じがあります。人によっては喘息の症状として運動してもすぐ疲れる、といった症状で病院に受診して気がつくことがあります。発作が起こりやすいのは夜間や早朝、また天気が悪い時や風邪を引いた時です。

 

治療法

喘息の治療を効果的にするためには予防が大事です。そのために定期的な受診をして薬の調整や評価を受ける必要があります。薬や吸入器を使うかどうかは喘息の重症度や薬でのコントロールに反応しやすさで判断します。代表的な薬は吸入器を使った吸入ステロイドや飲み薬ですが、これらは喘息に明確な効果が証明されており、使用法を間違えさえしなければ素晴らしい効果を発揮します。ステロイドは何となく怖いから、ではなくぜひ医師と相談して必要な時には使うようにしましょう。またステロイド吸入薬とは別に苦しい時にすぐに使える吸入薬もあり、喘息の方では基本的に持っていたもらった方が良いです。

残念ながら喘息発作時に治療効果のある民間療法(食べ物や飲み物での治療)はありません。コーヒーが効くというお話がありますが科学的根拠は乏しいです。そのため夜中でも苦しい場合には救急病院に受診するようにしましょう。大体の喘息の方が自分の喘息発作に慣れてしまっており我慢しがちです。しかし喘息は少ないながらも死亡することがある病気です。我慢せず病院で相談するようにしましょう。普段からの喘息治療によって発作予防をすることが大事になります。

 

予防

  • 風邪などをひかないようにこまめな手洗いをしましょう(厚生労働省HPが非常にわかりやすいです)
  • インフルエンザの予防接種は毎年受けましょう
  • 大気汚染を防ぐために大気汚染のレベルが高い時には屋内、交通量の多い道路の近くでは運動しないようにしましょう
  • 空気が冷たく乾燥している冬の日にはマスクなどで口と鼻を覆いましょう
  • 漂白剤など強力な洗剤の使用は避けましょう
  • アレルギー体質のある方はアレルギーの原因となるものを避けましょう
  • ダニであれば枕やマットレスにダニを寄せ付けないカバーをつけて、寝室にはカーペットを敷かないようにしましょう
  • カビを防ぐためにシンクやタイルなどカビが生えやすい場所、除湿機やエアコンも掃除しましょう
  • 動物のアレルギーの場合には動物は家で飼わないようにしましょう
  • 花粉症の方の場合にはなるべく自宅では窓を閉め、外出から戻ったら服を払ってから家に入ってシャワーや入浴をしましょう。

 

注意点

喘息の方は一部の薬を使用できません。具体的にはβ遮断薬という不整脈を抑える薬、一部血圧の薬などが使えません。その他ペリアクチンという咳止めやNSAIDSという消炎鎮痛剤の一部は使用を避ける方が良いです。特にアスピリン喘息という病気のある方は解熱剤や痛み止めで使えない薬もありますので注意が必要です。病院受診をされる時には必ず喘息が今落ち着いていても喘息の病気があることを申告するようにしましょう。

 

以上が喘息の簡単ですが概要になります。喘息は大体の方が昔からあり、本人は慣れていることが多いですが診察するとかなり悪化していることがあります。院長も小児喘息を持っていたので皆様のお気持ちよくわかります。お子様も大人の方もどちらの喘息に関しても治療に慣れている当院でご相談いただけると幸いです。

 

参考資料

チェンジ喘息!喘息の正しい知識と治療についての総合サイト アストラゼネカ社

▲ ページのトップに戻る

Close

HOME