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脂漏性皮膚炎

脂漏性皮膚炎とは(原因や治療など)

脂漏性皮膚炎(しろうせいひふえん)は、皮脂分泌が多い部位に繰り返し発生する慢性的な皮膚の炎症性疾患です。脂漏性湿疹とも呼ばれ、頭皮、顔面(鼻の横のシワ・眉間・眉毛・髪の生え際など)、耳の裏などに赤みやフケ、かゆみが出るのが特徴です。

頭皮ではフケが目立ち、顔では皮膚の赤みやかさつきが現れます。赤ちゃんから大人まで幅広い年齢層に発症し、生後数ヶ月頃に起こるものは乳児脂漏性皮膚炎と呼ばれます。

完治が難しく、良くなったり悪くなったりを繰り返すため、長い付き合いになることもあります。しかし、正しい治療とスキンケアを行うことで症状をコントロールすることが可能です。

当ホームページが少しでもお役に立てれば幸いです。

脂漏性皮膚炎の原因

脂漏性皮膚炎の原因は、皮膚に常在する「マラセチア」というカビ(真菌)の一種が関係しています。

マラセチアは誰の皮膚にも存在する常在菌であり、不潔さが原因ではありません。マラセチアが皮脂に含まれるトリグリセリドを遊離脂肪酸へ分解し、その遊離脂肪酸が皮膚への炎症反応を引き起こすことで症状が出ると考えられています。

発症しやすい年齢層

発症は男性に多く、赤ちゃんと思春期以降の2つの世代に多い傾向があります。

  • 乳児:生後2〜4週頃に始まり、8〜12ヶ月で自然に軽快することが多い
  • 成人:30〜40代にピークがあり、全体の有病率は約3%程度

また、HIV感染症やパーキンソン病など、神経系の疾患をもつ方にも発症しやすいことが知られています。

脂漏性皮膚炎が悪化しやすい要因

脂漏性皮膚炎は、以下のような要因で悪化しやすくなります。

環境要因

  • ストレス:自律神経のバランスが乱れ皮脂分泌が増加
  • 乾燥・寒冷:冬場など乾燥する季節は皮膚のバリア機能が低下
  • 睡眠不足:体調管理も重要

生活習慣

  • 脂分の多い食事:皮脂分泌を促進
  • ビタミンB類の不足:皮脂コントロールに影響
  • コーヒー・アルコール・香辛料の過剰摂取

薬剤

  • リチウムやインターフェロンの使用中に悪化する例も報告されています

こうした要因を避け、皮膚の保湿を意識し、生活習慣を見直すことが再発予防につながります。

脂漏性皮膚炎の症状

脂漏性皮膚炎は、主に皮脂腺が発達した皮脂の多い部位に出現します。赤み、かゆみ、皮むけなどの症状が特徴です。

部位別の症状

頭皮

  • フケやかゆみが強く出現
  • 重症では黄色い脂性の皮膚が付着
  • 皮膚が剥がれてフケのようになる
  • 耳の後ろまで広がることもある

顔面

  • 髪の生え際、眉間、眉毛、鼻の下、鼻の横のシワ(鼻唇溝)、頬などに赤みやかさつき
  • 男性では口ひげ・あごひげ部にも出やすい
  • 剃毛が治療の助けになることもある

体幹

  • わき、乳房下、へそ、外陰部などの皮膚がこもる部位

成人はかゆみを伴うことが多く、乳児ではかゆみが少ない傾向があります。

似た症状の疾患

脂漏性皮膚炎は、以下の疾患と症状が似ていることがあります。

  • フケ症:単なる乾燥によるもの
  • アトピー性皮膚炎:アレルギー性の皮膚炎
  • 接触性皮膚炎:刺激物質によるかぶれ
  • 酒さ(しゅさ):皮膚の免疫異常が関係し、鼻や頬の赤みが中心

脂漏性皮膚炎は特に皮脂分泌の多い部位に限局する点で区別できます。

脂漏性皮膚炎の検査・診断

特別な検査は必要ありませんが、単なるフケ症や乾燥肌、ほかの皮膚疾患ではないことを確認する必要があります。

問診と視診を中心に診断を行います。皮膚の症状からアトピー性皮膚炎や接触性皮膚炎などとも区別が難しいこともあるため、専門医の診察が重要です。

脂漏性皮膚炎の治療法

塗り薬(外用療法)

治療の基本は、ステロイド外用薬抗真菌薬の併用です。

カビ(真菌)が原因で起きると考えられているため、抗真菌薬やステロイドが含まれた塗り薬を中心に処方します。

治療の進め方

  1. 炎症が強い時期は両方を使用
  2. 落ち着いてきたら抗真菌薬を先に中止
  3. ステロイドは使用頻度や強さを徐々に減らす(急な中止は再発の原因)

部位別の使い分け

  • 顔・体:軟膏やクリームタイプの塗り薬
  • 頭皮:ローションタイプのつけ薬(髪の毛ではなく頭皮に直接塗布)

また、ステロイド以外の抗炎症薬(免疫抑制外用薬)を使うこともあり、副作用が心配な方には有効な選択肢です。

飲み薬(内服療法)

症状に応じて以下の飲み薬を使用することもあります。

  • ビタミンB2、B6:皮脂の分泌を抑制
  • 抗ヒスタミン薬:かゆみがひどい場合に処方

漢方治療

体質や症状に合わせて漢方薬を使用する場合もあります。ただし、効果については明確な科学的根拠が十分に確立しているとは言えません。炎症が強い場合や再発を繰り返す方の補助的治療として検討されることがあります。

脂漏性皮膚炎の日常ケア

シャンプーの選び方

抗真菌薬の入ったカビ用シャンプーが市販で販売されていますので、できれば普段からそちらを使っていただく方が再発防止に良いと思います。

頭皮の状態は個人差が大きく、シャンプーは合う合わないの違いが出やすいものです。1ヶ月ほど使っても効果を実感できなければ、別のシャンプーを試してみましょう。ご自身の頭皮や髪質に合ったものを探してみてください。

洗顔方法

皮脂の多い方用の洗顔料で泡立てて洗い、洗顔後は必ず保湿を行いましょう。スクラブ入りは不要です。適切に洗顔を行うことで症状の改善が期待できます。

化粧品の選び方

低刺激の化粧品を使用し、紫外線対策として日焼け止めを使いましょう。アルコール入り製品は刺激になるため避けてください。

食事での注意点

脂漏性皮膚炎は生活習慣を見直すことで、改善が期待できる病気です。

摂取を心がけたい食品

  • ビタミンB類を多く含む食品(牛乳、卵、レバー、しじみ、ほうれん草、トマト、キャベツなど)
  • フルーツ(再発予防に良いとする研究もあり。ただし証拠は限定的)

控えめにしたい食品

  • 脂分の多い食事
  • コーヒー、アルコール
  • 香辛料(摂取しすぎないように注意)

よくある質問(Q&A)

Q. 他の人にうつることはありますか?

A. 脂漏性皮膚炎は人にうつることはありません。誰もが持っているカビ菌(マラセチア)の作る物質のせいで皮膚に炎症が起こっているのです。

Q. 市販薬でも治せますか?

A. 弱めのステロイドの市販薬はありますが、なかなか有効な市販薬は現在のところはありません。しっかりとした強めのステロイドや抗真菌薬が必要になりますので、早めにクリニックで診察を受けましょう。

Q. シャンプーはどれが良いですか?

A. 抗真菌薬の入ったカビ用シャンプーが市販で販売されていますので、できれば普段からそちらを使っていただく方が再発防止に良いと思います。1ヶ月ほど使っても効果を実感できなければ、別のシャンプーを試してみましょう。

Q. 化粧品の選び方は?

A. 低刺激の化粧品を使用し、紫外線対策として日焼け止めを使いましょう。アルコール入り製品は刺激になるため避けてください。

Q. 洗顔方法は?

A. 皮脂の多い方用の洗顔料で泡立てて洗い、洗顔後は必ず保湿を行いましょう。スクラブ入りは不要です。

Q. 食事で気をつけることは?

A. ビタミンB類を多く含む食品(牛乳、卵、レバー、しじみ、ほうれん草、トマト、キャベツなど)をしっかりとるようにして、脂分の多い食事を減らし、コーヒーやアルコール、香辛料も摂取しすぎないように注意してください。フルーツを多く摂る食事が再発予防に良いとする研究もありますが、証拠は限定的です。

Q. 完治はできますか?

A. 脂漏性皮膚炎は再発を繰り返す慢性疾患ですが、正しい治療とスキンケアで症状を安定させ、コントロールすることが可能です。

 

このような症状でお悩みの方はご相談ください

  • 頭皮のフケやかゆみが気になる
  • 顔の赤みやかさつきが治らない
  • 市販薬を使っても改善しない
  • 症状が繰り返す

長期にわたるケアが必要な疾患ですが、一人で悩まず、ぜひご相談ください。

アクセス

竹ノ塚駅前クリニック 内科・小児科・皮膚科

竹ノ塚駅東口から徒歩3分

参考資料

American Academy of DermatologyAmerican Academy of Dermatology(AAD)「Seborrheic Dermatitis: Overview」

 

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