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三種混合ワクチン(百日咳予防)

百日咳とは?

※現在3種混合ワクチンは出荷調整のためご予約ができない状況です。入荷がありましたらまたご案内いたします。

百日咳(ひゃくにちぜき)は、「ボルデテラ・パータシス(Bordetella pertussis)」という細菌によって引き起こされる感染症です。特徴的な「コンコンコン…ヒューッ」と続く激しい咳が数週間から数か月続くことがあり、「100日間咳が止まらない」と言われるほどしつこい病気です。

2025年、百日咳の患者数が全国最多を更新し、東京都内でも感染が広がっています。特に注意が必要なのは生後6か月未満の赤ちゃんは重症化のリスクが高いと報告されています。

この時期は5種混合ワクチンを複数回接種をしていますが、まだ十分な免疫を持っておらず、咳による呼吸困難や無呼吸発作、肺炎、さらには脳障害などの合併症が起こるリスクが高く、場合によっては命に関わることもあります。

また現在、急な患者数の増加のため百日咳の診断の検査キットの供給が追い付いておらず診断や耐性菌の増加で治療が難しいことがあります。

そのため、赤ちゃん自身のワクチン接種はもちろんのこと、周囲の大人が感染源にならないことが極めて重要です。

ワクチンの予約はこちら(現在ワクチンが出荷調整のためご予約できません)


百日咳の感染経路と「キャッチアップ接種」の必要性

百日咳は咳やくしゃみなどの飛沫感染します。感染しても軽症で済むことが多い大人が無自覚のうちに乳児にうつしてしまうケースが後を絶ちません。とりわけ、赤ちゃんと日常的に接する機会が多いのは、「母親」「父親」「祖父母」「兄弟」など、身近な家族です。

日本では、小学生以降の小児や大人の百日咳が増加中

実は日本では、大人の百日咳患者が増加しています。乳児の定期接種は行われていますが、免疫は4、5年ほどで低下するため、小学校入学以降で予防効果が薄れていることが多いのです。つまり、過去に予防接種を受けた経験があっても、現在は十分な免疫がない可能性が高いのです。

このような背景から、周囲の人がもう一度ワクチンを接種して免疫を高める「キャッチアップ接種(追加接種)」が、世界的に推奨されています。


妊婦の三種混合ワクチン接種のすすめ

妊婦に対して、三種混合ワクチン(DPT:ジフテリア・百日咳・破傷風)を接種することは、赤ちゃんを守るための最も有効な方法の一つです。

妊娠中でも予防接種は問題なく、接種後2週間ほどで免疫がついてきます。

妊娠27週~36週の妊婦の方に予防接種(海外の場合にはTdapというワクチン)を新生児百日咳を90%以上減らせると報告があります(米CDC推奨)。

妊婦が接種するメリット

  • 胎盤を通じて母体の抗体が赤ちゃんに移行するため、出生後すぐに感染リスクが下がる

  • 生後2か月の初回接種までの間に百日咳に感染する可能性を減らせる

  • 母親自身が感染源とならずに済む

WHO(世界保健機関)やCDC(米国疾病対策センター)は、妊娠の間に三種混合ワクチンを接種することを推奨しています。日本でも任意接種として受けることが可能で、当院で予防接種の相談ができます。


祖父母世代(60〜70代)にも接種を

赤ちゃんにとって祖父母は大きな存在ですが、実はこの祖父母世代が百日咳の感染源になるケースが少なくありません。

なぜ祖父母もワクチンが必要?

  • 幼少期に受けたワクチンの免疫効果は数十年も持続しない

  • 高齢者は重症化のリスクもあり、自身を守る意味でも有効

  • 赤ちゃんのそばにいる時間が長く、無症状でも感染を広げる可能性がある

特に「お宮参り」や「お食い初め」、「孫の世話」などで密接な接触があると、知らずに感染を広げてしまう恐れがあるため、祖父母も積極的にワクチン接種を検討すべきです。


小学校入学前や成人の方も接種を

日本では、乳児期の百日咳のワクチン(五種や四種種混合ワクチン)は定期接種として広く普及していますが、実は免疫が5、6年程で低下してきます。そのため日本小児科学会は小学校入学前にも3種混合ワクチンの追加接種を推奨しています。しかし情報の周知不足や任意接種で費用負担があることから接種希望者はあまり多くありません。

欧米諸国では、妊婦やその家族への定期的なワクチン接種が推奨されており、コクーン戦略(Cocoon Strategy)」=赤ちゃんの周囲の兄弟や大人全員がワクチンで守る戦略が広まっています。かかってからではかなり苦しくことになりますので積極的な予防接種が推奨されます。


安全性について

三種混合ワクチンは、世界中で何百万回と接種されており、安全性も高く評価されています。
副反応は注射部位の痛みや腫れ、軽い発熱などが一時的に出る程度で、重篤な副作用の報告は非常に少ないです。

妊娠中の接種も、胎児への影響がないことが多数の研究で示されています。


接種を検討される方へ

三種混合ワクチンは、当院で接種可能です。費用は3,600円となります。

接種にはご予約が必要です。ワクチンの予約はこちら(現在ワクチンが出荷調整のためご予約できません)。ワクチンの入荷に時間がかかるためご予約は1週間ほど前からになります。

予防接種にご不安でしたら来院後に当院医師と相談し接種の要否を相談ください。


赤ちゃんや子供を守る「思いやりワクチン」

百日咳は、赤ちゃんにとって命に関わる重い感染症です。
赤ちゃん自身の免疫が不十分な時期に、周囲の大人が感染を防ぐことは、最大の予防策となります。

妊娠中のお母さん、そして赤ちゃんを可愛がるおじいちゃんおばあちゃん。そして注射を打っているからと安心できない小学生の方まで。

現在の日本のワクチンスケジュールでは年長の園児から高齢者まで皆さん追加接種が必要です。
大切な命を守るために、ぜひ三種混合ワクチンの接種を前向きにご検討ください。

接種ご希望の方は、東京都足立区にある竹ノ塚駅の東口徒歩3分の当院にご相談ください。

ワクチンの予約はこちら(現在ワクチンが出荷調整のためご予約できません)

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