マンジャロ注射の正しい打ち方と使い方
マンジャロ(一般名:チルゼパチド)は、週に1回、ご自身で皮下に注射する薬です。当院では初めて処方する際に、薬も針も入っていない練習用の器具を使って、看護師が打ち方を一緒に確認します。実際に手に取ってみると、思っていたより簡単だと感じる方がほとんどです。
このページでは、外来でお伝えしている内容を、打つ前の準備から打ち忘れたときの対応まで順にまとめました。
執筆者:中島義之医師(竹ノ塚駅前クリニック内科小児科皮膚科 院長)
内科認定医、プライマリ・ケア指導医、救急科専門医
更新日:2026年7月14日
どこに打つ?——院長のおすすめは「おなか」です
ご自身で打てる場所は、おなか(腹部)とふともも(大腿)の2か所です。この2か所以外には、ご自分の判断で打たないでください。
院長として外来でおすすめしているのは、おなかです。おなかは皮下脂肪が比較的多いため、ふとももより痛みを感じにくいことが多いからです。針はごく細く、出血もわずかで、絆創膏がいらないことがほとんどです。
同じ場所に打ち続けると皮膚が硬くなることがあるため、毎回少しずつ位置をずらしてください。おなかに打つときは、おへそから5cm以上離した場所を選びます。
打ったあとに赤み・かゆみが出ても大丈夫です
注射したところに、わずかな赤みやかゆみが出ることがあります。多くはすぐに落ち着きますので、心配はいりません。また、痛みは「まったく感じない日」もあれば「少し感じる日」もありますが、痛みの有無で効き目が変わることはありませんので、心配なく続けてください。
注射の手順
マンジャロの器具は「アテオス」という、針と薬液が最初から一体になったペン型です。針を付け替えたり、空打ちで量を合わせたりする操作は不要です。名前のとおり「あてて、押す」だけで注射が終わります。

打つ前の準備
冷蔵庫から取り出したペンは、20〜30分ほど室温に置いて薬液を常温に戻すと、冷たい刺激がやわらぎます。手を石けんで洗い、打つ場所をアルコール綿で拭いて乾かします。灰色のキャップは、打つ心の準備ができてから、まっすぐ引き抜いて外します。外す前であれば、いつでも中断できます。外したあとは針の部分に触れないでください。
注射する
ペンの透明な底面を、消毒した皮膚に垂直に当てます。強く押しつける必要はなく、皮下脂肪が少しへこむくらいのやさしい力で十分です。
ロックを外すのは、必ず底面を皮膚に当ててからです(当てる前に外さないでください)。当てたまま、緑色の目印を「ロック解除」の位置まで回します。この「回す」操作では音は鳴りません。「カチッ」という音は、紫色のボタンを押したときにだけ鳴ります。続けて紫色のボタンを押し込むと、1回目の「カチッ」で注入が始まります。頭で秒数を数えるのではなく、2回目の「カチッ」が鳴るまでボタンを押したまま待ってください。通常は数秒〜10秒ほどで2回目が鳴りますが、それより長くかかることもあるので、鳴るまで焦らず当て続けてください。音が聞こえにくいときは、ペンの窓を見ます。注射前は薬液が見えていますが、注入が終わると灰色のピストンが窓をふさぐように現れます。
2回目の音(または灰色のピストン)を確認してから、ゆっくりペンを離します。針は自動的にカバーで覆われます。もし途中で離してしまい薬液が漏れた気がしても、足りない分をもう1本打つことはせず、当院にご連絡ください。
打ったあとの片づけ
打った場所は軽く押さえるだけにして、もんだりこすったりしないでください。使用後のペンは針が本体に収まる設計なので、比較的安全に扱えます。牛乳パックのように針が貫通しない硬い容器に入れてフタを閉じ、お住まいの自治体のルールに沿って処分してください。
捨て方に迷うときは、当院にお持ちいただければお引き受けします。他院で購入された注射器でも廃棄いたします。
動画で確認したい方は、メーカーの使用動画もご参照ください。
打つタイミングと、打ち忘れたとき
週1回・曜日を決めて
週に1回、決めた曜日に打ちます。朝でも夜でも、食事の前後も問いません。ご自身の生活リズムに合わせて、続けやすい曜日を選んでください。
打ち忘れたときの数え方
打ち忘れに気づいたら、「忘れてから何日たったか」ではなく、「次に打つ予定日まで何日あるか」で判断します。
次の予定日まで3日(72時間)以上あるとき:気づいた時点で1回打ち、次からは元の曜日に戻します。
次の予定日まで3日を切っているとき:忘れた分は打たず、次の予定日に1回だけ打ちます。2回分をまとめて打つことは絶対にしないでください。
たとえば毎週日曜に打つ方が水曜に気づいたら、次の日曜まで4日あるので、その場で1回打ち、次も日曜に打ちます。金曜に気づいたら、日曜まで2日しかないので、忘れた分は打たずに日曜に1回だけ打ちます。迷ったときは、当院にご相談ください。
お薬の保管について
マンジャロは2〜8℃の冷蔵庫で保管します。凍ってしまったものは、解凍しても使えません。旅行などで冷蔵できないときは、30℃以下の室温で21日以内まで使えます。この21日は一度でも冷蔵庫の外(常温)で保管し始めたら、その日から数えて通算で、途中で冷蔵庫に戻してもリセットされません(注射のたびに数十分だけ室温に戻す分は含みません)。夏場の車内や直射日光が当たる場所は30℃を超えるため避けてください。21日を過ぎたものや、30℃を超えた可能性のあるものは使わず、当院にご相談ください。
当院の診療内容
竹ノ塚駅前クリニック内科小児科皮膚科では、マンジャロを自由診療(保険適用外・全額自費)として、2.5mg 1本4,500円・5mg 1本7,000円・7.5mg 1本10,000円・10mg 1本13,500円(税込)で処方しています。治療中の体の状態は、院内の採血で確認できます。
マンジャロは自費診療のため、全国どこからでも受診いただけます。当院へは足立区内のほか、草加市・越谷市・八潮市・三郷市・川口市・葛飾区など近隣からお越しの患者さんもいらっしゃいます。
初回の処方時には、薬も針も入っていない練習用の器具を使って、看護師が打ち方を一つずつご説明します。手順を確認しながら覚えられますので、注射が初めての方もどうぞご相談ください。
なお、マンジャロが承認されているのは2型糖尿病の治療に対してで、減量(肥満症)を目的とした使用は国内では承認されていません。海外では、同じ成分の薬(ゼップバウンド)が肥満症の治療薬として承認されています。ダイエット目的での使用で健康被害が生じても、国の医薬品副作用被害救済制度の対象にはなりません。お薬は国内の医薬品卸から仕入れ、院内の冷蔵庫で温度を管理しています。まれに急性膵炎などの重い副作用が起こることもありますので、マンジャロの副作用と危険性もあわせて必ずお読みください。

